思えば、6人時代のSMAPの中で、とりわけ王道のジャニーズっぽさを備えていたのは森くんでした。当時は、SMAPを筆頭に男性アイドルのイメージが凄まじい速さで変化していく中、古き良きジャニーズ然とした森くんには、ある種の「時代遅れ感」を抱くことも正直ありました。しかし、現在の彼から見て取れる「不老不変」のポテンシャルが、あのままSMAPとして発揮されていたら、今頃どうなっていたのか。もしくは26年前に「SMAPである自分」「アイドルである自分」を封印したことで、肉体そのものの老化も止まったのか。いずれにしても、あんな人は後にも先にもいないでしょう。
以前から書いているように、「アイドル」とは自意識ではなく、生まれ持った気質や才能だと思います。森且行、最強アイドル説。そして改めてSMAPの威力の凄さよ。
ミッツ・マングローブ/1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場~語り亭~」「5時に夢中!」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する
※週刊朝日 2022年4月8日号