AERA 2022年4月11日号より
AERA 2022年4月11日号より

 話すときは、上から下へ。初めに結論を言い、次に根拠を三つほど示し、最後に必要に応じてそれぞれ一つ~二つの実例を挙げる。たとえば、こうだ。

“この商品は増産すべきだと思います(結論)。なぜなら、顧客から好評で、販売店も受注に前向きで、数字も上がっているからです(三つの根拠)。○○店では対前年比で……(例えば)”

「このように話せば、大抵は1分以内に収まります。1分以内に収まらない時は、考えがまとまっていない証拠。議論がうまく噛み合わない時は一度この構造図に戻ると、どこでズレが生じているのかわかるはずです」

 冒頭の男性は、話を3段ピラミッドで組み立てるようになってから、意思疎通が格段にとりやすくなった。今では、打ち合わせの初めに「今日話したいことは4件あります。2件は依頼で、2件は情報共有です」のように用件をナンバリングするなどの工夫も自然に行っている。

「3段ピラミッドで話すうちに、きれいな敬語や丁寧な言葉づかいよりも、わかりやすさに価値があると気づきました」

(編集部・藤井直樹)

AERA 2022年4月11日号より抜粋