畳の上に並べてみると、ほとんど頂き物であった。この場を借りて皆様に御礼申し上げます。
眺めていると同じような生地のものばかり。ふーん。こういう生地が流行ってるのか……と頭を捻っていると、横から家内が「スウェットばかりね」と言う。
何を言うか。トレーナーにパーカーにTシャツにズボンじゃないか!
「その生地をスウェットって言うのよ」……知らなかった。
いつも私が着ているフニャフニャの、パジャマと部屋着兼用の、上下鼠色の衣服のコトを『スウェット』というのかと思っていた。
流行ってんじゃん、スウェット。
どうやら、私は知らない間にスウェットの流行にのみ込まれていたようだ。調べてみたらスウェット素材の和服もあるらしい。
そもそも「スウェット=汗」。汗を吸う素材だから「スウェット」とな。
「じゃ、今俺が着ているやつはなに?」と聞けば「ヨレヨレでくたびれてるから『野良スウェット』?」と家内。家にいるのに『野良』かいな。間口広いな、スウェット。
春風亭一之輔(しゅんぷうてい・いちのすけ)/1978年、千葉県生まれ。落語家。2001年、日本大学芸術学部卒業後、春風亭一朝に入門。新刊書籍『人生のBGMはラジオがちょうどいい』(双葉社)が発売。ぜひご一読を!
※週刊朝日 2022年4月15日号