武器は右打者の内角に鋭く食い込むシュートで、それに加えて緩いカーブも上手く使えたことが巨人戦での好投に繋がったように見えた。高校時代から素材の良さは誰もが認めるところであり、ポテンシャルの高さを考えれば通算成績の勝ち負けが逆になっていても全くおかしくない。開幕投手の小川泰弘が不調で、期待の奥川恭伸も最初の登板で緊急降板となるなど苦しい状況だけに、チームの命運を握る存在となるだろう。
一方のパ・リーグでは佐々木朗希(ロッテ)が4月10日のオリックス戦で完全試合を達成するなど球界のエースへの階段を急速に駆け上がっているが、ロッテでもう1人殻を破ってもらいたいのが二木康太だ。ドラフト6位での入団ながら3年目から先発ローテーションに定着し、一昨年からは背番号18も背負うなどその期待値は高い。しかし昨年はシーズン終盤に大きく成績を落とし、ポストシーズンでは登板機会なしに終わるなど苦しいシーズンとなった。
佐々木朗希以外にもチームには若手有望株が多いだけに今年は正念場のシーズンとなるが、今季初登板となった4月2日の西武戦では7回を無失点と復活を印象付けるピッチングを見せている。コントロールには定評があり、内角を速いボールで厳しく攻めることができ、フォークの精度も高い。デビューが早かったため中堅、ベテランかのような印象を持たれることもあるが、今年で27歳という年齢を考えればまだまだここから飛躍する可能性もあるだろう。自身初となる二桁勝利をマークするくらいの力は十分にあるはずだ。
昨年まさかの4位に沈んだソフトバンクでは今回のテーマに合う選手が多いが、今年期待したいのが7年目の松本裕樹だ。これまでの6年間はなかなか役割が定まらず、通算成績は7勝11敗10ホールドに終わっている。今年は開幕ローテーション入りを果たしながら、鍼治療での不慮の事故で戦線離脱となったが、既に回復して実戦のマウンドに上がっているのは好材料だ。