これだけ速球派がそろうと、以前のような「低めに投げろ」ということは意味をなさない。逆にベルト付近より少し高い球のほうが、打者はつられる。しかも、落ちる球も全員が持っている。そうなると打者の目線はどうしても低くなる。より「高めの直球」の重要性は増す。クローザーの一つの資質として求められるものであろう。

 何年にもわたって一線級を張れる選手はほんの一握りとなった。野球界はそれだけ進歩しているということだ。そして打者が進歩すれば、投手はそれを上回ろうと研究を重ねる。私も球場に出向いた時に、自分の予測もつかないプレーを目の当たりにする機会は確実に増えている。

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝

週刊朝日  2022年4月22日号

著者プロフィールを見る
東尾修

東尾修

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝。

東尾修の記事一覧はこちら
暮らしとモノ班 for promotion
防災対策グッズを備えてますか?Amazon スマイルSALEでお得に準備(9/4(水)まで)