NATOサミットに集まった各国首脳(写真:gettyimages)
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 ロシアによるウクライナ侵攻が続くなか、静観する中国の今後の動きが注目されている。この戦争が中国にどのような影響を与えるのだろうか。AERA 2022年4月25日号の「世界情勢」特集は、安全保障の専門家で、トランプ前米大統領の補佐官を務めたジョン・ボルトン氏に聞いた(前後編の後編)。

【写真】ジョン・ボルトン元米大統領補佐官

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 次は中国の立場です。

 中国は間違いなく、ロシアを助けていますし、肩をもっています。ロシアの銀行は制裁を受けていますが、ロシアの金融機関は中国の銀行を使ってどんな外貨をも得ることができます。中国は、大量の原油や天然ガスも買っています。

 ニューヨークの国連総会は4月7日、ロシアの国連人権理事会の理事国としての資格を停止するよう求める決議案で採決を行い、93カ国が賛成して採択されました。でも、中国はロシアとともに反対に回りました。中国を含め反対24、棄権58、無投票18で計100カ国が基本的にはロシアの資格を停止しなくてもいいとしました。中国は公に言葉にして言わずに、自らの実際の行動で注意を引くことを避けているのです。

 ウクライナでの戦争が進行中に、中国が台湾に対して行動を起こすという臆測もあります。

 私の経験からいうと疑う余地なく、中国はウクライナに対する西側の反応を非常に注意深く見守り、そこから教訓を得て、バイデンの考え方を見定めようとしています。中国は、台湾をめぐる対立で強行することを望んでいると思います。

 米国は明確なコミットメントを示し、武力を行使して台湾を防衛するのか、あるいは手を引くかです。米国が手を引けば、台湾は熟れた果実のように中国の手に落ちるでしょう。

 中国が望んでいるのはそれです。今のウクライナのように焼け跡ばかりになった島を欲しがっているのではありません。中国は、台湾の生産能力をそっくりそのまま入手したいのです。

■核の話題は微妙だが…

 中国は1995年、台湾海峡で弾道ミサイル試験を行い、台湾を脅かした台湾海峡ミサイル危機が起きました。クリントン元米大統領は空母2艦の戦闘グループを送ったため、中国は引き下がりました。だから、バイデンがクリントンと同じような反応をしないだろうと読んだ途端に、中国は次の台湾危機を引き起こすでしょう。

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