「カカオ成分が70%以上の高カカオチョコがとくにおススメ。原料のカカオには、血糖値の上昇を抑えるカカオポリフェノールと、糖質の吸収を緩やかにする食物繊維が豊富。二つの相乗効果で血糖値の急上昇を抑えられれば、血糖値を調整するホルモンであるインスリンによる脂肪の蓄積を和らげることができ、内臓脂肪も落とせます。朝昼晩の食前や、各食間の5回に分けて5グラムずつ食べれば、効き目は長続きします」

 チョコは今回取材した医師5人のうち、4人が挙げた。カカオ成分の多い高カカオチョコは、スーパーやドラッグストアでも売っているので、試してみるのも良いかも。ただし、カロリーも高いので食べすぎにはご注意を。

 食べ物だけでなく、独自に考え出した「食べ方」を推すのが、糖尿病専門医の梶山内科クリニック・梶山静夫院長だ。

梶山静夫さん
梶山静夫さん

 梶山院長は、より簡単に実践できる糖尿病の食事療法の研究を20年以上、続けてきた。食べる順番や食べ方を工夫することで、食後の血糖値の上昇を抑える「食べる順番療法」を考案。今では全国に広がっている。梶山院長は言う。

「最初に野菜(食物繊維)、次に主菜(たんぱく質)、最後に主食(炭水化物)という順番で食べると、食後の血糖値は約20%、血糖値を調整するホルモンのインスリン分泌量は約30%抑えられることがわかりました。野菜を最初に食べると良いのは、野菜に含まれる食物繊維が糖質を包み込み、小腸での吸収スピードを和らげるためです。ゆっくり噛んで食べるとより効果的です」

 血糖値が高いと糖尿病の原因になるほか、脳梗塞や心筋梗塞といった血管系の病気につながる動脈硬化になりやすくなる。最近では、がんやアルツハイマー型認知症との関連もわかってきた。

「インスリンが過剰に分泌されると、アルツハイマー型認知症の原因物質の一つとされる脳内のアミロイドβの分解がうまく進まなくなるという研究結果が報告されています。長生きするほど認知症のリスクは高くなるし、発症した場合の治療期間も長くなる。糖尿病患者はもちろん、健康に問題がない人も、ぜひ実践してほしい。私も家族ぐるみで続けています」(梶山院長)

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