占い師、作家 しいたけ.
占い師、作家 しいたけ.
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 AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。

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Q:ロシアのウクライナ侵攻で多くの命が奪われています。妊婦や幼い子どもたちが戦争に巻き込まれた記事を読むと涙が出ます。自分にできることはニュースについて深く理解をすることだと思って記事を読んでいましたが、悪夢を見るようになりました。でも目を背けるのも悪いことのような気がしてしまいます。共感力の強いしいたけ.さんは、どう過ごしていますか?(女性/フリーランス/43歳/やぎ座)

A:最近、デジタルデトックスのようなことを始めました。コロナもそうだしロシアのウクライナ侵攻は本当に心が痛むし、許されることではありません。でも自分ではどうしようもできない情報を受け取りすぎた時、僕は無力感が広がってきてしまうんです。

 それで情報の「受け取り方」に自分なりのルールを設けないといけないと思いました。

 人はどの人も、自分のできる範囲での世界平和に貢献していると僕は思っています。迷子の子どもに声をかけてあげることもそうだし、店員さんに対して失礼のない応対をするのも微々たることだけど世界平和への貢献です。無力感が重なるとその自分の責務が果たせなくなってしまう。

 だから僕はスマホからの情報の摂取をやめてみることにしました。特にSNSは、一つの情報に対して「意見」が嵐のように付きます。それも大事なんだけど、少し距離を置いて冷静になりたい自分もいる。触れる情報は、新聞や雑誌とか紙から読む情報に限定することにしました。

 世界の一員である以上、目をそらさずに情報を摂取することも大切です。でも自分の責務が遂行できないぐらいのダメージを負ってしまうと悪い意味で「人ってこんなもんだよ」という虚無感も大きくなります。それは不幸なことだし、僕は自分にできる世界平和への貢献に目を向けていたいと思うんですよね。

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