共働きをしているため、学童にも通わせているが、ここでも度々呼び出される。女性は学童保育の指導員の言葉が今も胸に刺さっているという。
「どうやら泣き続けているようで、学童の方から『お子さんがかわいそうじゃないですか』と言われたんです」(女性)
■見つからない相談先
娘がぐずって学校に行きたがらない日にはできる限り休みを取ったり、在宅勤務にしたりして、子どもと自宅で過ごせるように配慮してきた。それでも、自宅で世話ができないときに学童を利用しているが、
「家にいられないから学童を利用しているのに、どうしていいのか分からない」(女性)
夫との間にある、行き渋りに対する考え方の違いも悩みの種となっている。女性は言う。
「夫は、『一度休ませたらくせになるから、無理にでも行かせた方がいい』と言いますが、私の方は、休ませても良いのではと思ってしまう」
子どもの行き渋りにどう折り合いをつけたらいいのか、見えない出口を探しているが、相談先も分からない。
「学校に相談することも考えましたが、コロナ禍で担任と会う機会もほとんどありません。保護者会でマスク越しにぺこりと頭を下げた姿を見ただけでは、なかなか相談する気にはなれません」(女性)
小中学校における長期欠席者は年々増加している。特に不登校によるものは2020年度に約19万6千人で、10年間で1.6倍に増えている。(フリーランス記者・宮本さおり)
※AERA 2022年4月25日号より抜粋