心臓病の手術には、メスで胸の部分を切開しておこなう外科的手術と、細い管を挿入しておこなうカテーテル治療がある。それぞれに複数の治療法があるが、近年ではカテーテル治療の選択肢が増え、外科と内科の協力体制のもと治療をおこなう病院も増えている。
週刊朝日ムック「手術数でわかるいい病院2022」では、全国の病院に対して独自に調査を実施し、回答結果をもとに手術数の多い病院のランキングを掲載している。今回調査した2020年の実績で、心臓病の心カテーテル治療数が全国13位(関東6位)、心臓病の外科的手術数が全国2位(関東1位)になった川崎幸病院(川崎市)の循環器内科主任部長の桃原哲也医師に、多くの手術ができる背景やチーム作りのこだわりについて聞いた。
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2020年の心臓手術数と心カテーテル治療数の全国ランキングの上位を以下に示す(週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2022』)。
心臓手術数
1位 国立循環器病研究センター 928件
2位 川崎幸病院 914件
3位 榊原記念病院 767件
心カテーテル治療数
1位 千葉西総合病院 3226件
2位 札幌心臓血管クリニック 2578件
3位 小倉記念病院 1570件
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13位 川崎幸病院 905件
川崎幸病院は、川崎市幸区を中心に、川崎市南部および横浜市北部を診療圏とする地域中核病院だ。「断らない医療」「患者主体の医療」「地域に根ざし、地域に貢献する医療」という理念を掲げ、急性期病院として24時間365日断らない医療を実践する。同時に、循環器内科や脳神経外科、心臓血管外科を核とする高度医療にも積極的に取り組んでいる。
心臓病の治療として、外科的手術には冠動脈バイパス手術や弁置換術・弁形成術、大動脈手術、左室形成手術などの種類がある。カテーテル治療においては、近年、弁膜症に対する「経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)」「経皮的僧帽弁接合不全修復術(Mitra Clip)」など、新たな治療法の登場により選択肢が増えている。