「シン・ウルトラマン」 2022年5月13日(金)全国東宝系にて公開 (c)2021「シン・ウルトラマン」製作委員会 (c)円谷プロ
「シン・ウルトラマン」 2022年5月13日(金)全国東宝系にて公開 (c)2021「シン・ウルトラマン」製作委員会 (c)円谷プロ

 現段階までに公開されているこれらの情報をもとに、ウルトラマンへの熱い思いを持つアニメ・特撮研究家の氷川竜介さんと映画評論家・クリエイティブディレクターの清水節さんに、今作で注目している点や、期待している点を聞いた。

 まず氷川さんは、禍特対の服装に着目する。斎藤工演じる作戦立案担当官・神永新二や長澤まさみ演じる分析官・浅見弘子といったメンバーは、戦闘服のようなユニホームではなく普通のスーツ姿なのだ。

「初代マンの科特隊のようにオレンジ色の制服を着て特殊な飛行機や兵器で戦う『怪獣退治の専門家』ではない、現実味のある存在であることがわかります。ウルトラマンと禍威獣以外はほぼ現実に近い世界だという描かれ方になるのではないでしょうか」

 こうしたリアルな世界観は、昭和の名作怪獣映画「サンダ対ガイラ」や、樋口真嗣監督が特技監督をつとめた「平成ガメラシリーズ」とも共通するものがあるという。

「現代社会にもし本当に巨大生物が現れたら、というテーマをリアリズムで突き詰めていく作風だと思います。庵野さん、樋口さんが手掛けた『シン・ゴジラ』もまさにそうでした。『シン・ウルトラマン』も、我々が暮らしているのとそう違わないような日本に『銀色の巨人』が現れたらという、知的シミュレーションとしての映画となっているのではないでしょうか」(氷川さん)

◆登場の4体からエンタメに期待

 一方の清水さんは今作の方向性をこう予測する。

「3.11後の日本が直面する問題を浮かび上がらせた社会派映画のような側面も持っていた『シン・ゴジラ』より、さらにエンターテインメント性を意識した作品、上質な娯楽アクションを目指しているような気がします」

 そう考える理由は、現時点までにわかっている、ネロンガ、ガボラ、ザラブ、メフィラスという禍威獣、外星人のセレクトだという。

 初代ウルトラマンでは、ネロンガは電気をエサとする透明怪獣、ガボラはウラン235を食べ、放射能熱線を放つ地底怪獣。ザラブとメフィラスはともに高い知能を持ち、策略を使って地球を侵略しようとした異星人だ。

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