うつ病を克服し、偏差値29から東大に合格した杉山奈津子さんも、今や小学生の男の子の母。日々子育てに奮闘する中でとり入れている心理テクニックや教育方法をお届けします。杉山さん自身が心理カウンセラーとして学んできた学術的根拠も交えつつ語る『東大ママのラク&サボでも「できる子」になる育児法』も絶賛発売中です。ぜひご覧ください。
【ランキング】東大合格者が尊敬する東大出身者は? 林修、伊沢拓司をおさえ1位は人気俳優!
* * *
学習指導要領の改訂にともない、大学入試改革の実施が進められています。大学入試を基準に、「このレベルまで到達してほしい」という目標を決め、そこから逆算して小中高校で習う授業の内容を変えていく、というものです。それによると、小中高の授業で習う量が、かなり増加しているとのことです。
たとえば英語では、中学で習うべき英単語が、1200語から1.5倍近い1600~1800語程度へと変更されました。そして、今までは高校で学習していた難しい文法のいくつかも、中学のうちから取り組むようになっています。
英語の知識は、日本の中だけにとどまらず海外でも活躍するため、また国際社会が抱えるさまざまな問題に視野を広げるために必須です。将来的に、グローバルな観点でみるならば、英語の授業の改革はプラス方面への移行といえるのではないかと思います。
■置いてきぼりになる生徒が増える危惧も
しかし、学習量が増加すれば、当然、負担も増えるわけです。
教えることが多くなれば、教師側も細かい部分まで解説するのが時間的に難しくなり、どうしても説明不足に陥ります。時間がキツキツになれば、生徒たちも質問がしにくくなり、難しい点を理解するための余裕もなくなってしまいます。その結果、授業からどんどん置いてきぼりになる生徒が増えてしまうのではないでしょうか。
バランスをとるために、学習量を減らす方向への対応も必要でしょう。
かつて、詰め込み教育が問題視された時代がありました。覚えるべきことばかりが増えてしまえば、理解よりも、暗記という形で詰め込んでいくしか道がなくなります。
単語や文法を理解せずに進めていては、グローバル化に必要な、本当の英語力をつけることは難しくなってくるでしょう。