■フリーアナとしては厳しい

 たった5年でフジの女子アナという花形職業に見切りをつけ、第二の人生を歩み始めた久慈暁子。退社後は、大学時代に所属していた事務所への復帰が決まっている。今後はフリーアナウンサーとなるのか、女優へ転身するのかなどは明かされていない。とはいえ、「いずれにしても簡単ではない」と語るのは民放バラエティー番組のプロデューサーだ。

「5年で見切りをつけるのはいささか早かった気がします。民放3局の内定を取ってフジテレビに入社した加藤綾子さんですら8年間は在籍しました。久慈さんは優秀だったとは思いますが、フジテレビでの代表番組を築きあげられないまま退社しました。民放各局が制作費を大幅にカットしているなか、わざわざギャラの高そうな久慈さんをキャスティングするかは微妙です。しばらくは『アナウンサー特集』などの企画でバラエティーに呼ばれて結果を出せば、タレントしての未来も拓けると思いますが……。それよりもモデル時代のキャリアを生かして、CMや女優業へと進んだほうが可能性があると思います。ただし、田中みな実さんのように振り切ったキャラになることができれば……という条件つきではありますが」

 SNSなどを見ても、「アナウンサーよりタレントのほうが向いている」という意見が多い。元局アナという看板にこだわる必要はないのかもしれない。TVウオッチャーの中村裕一氏は、久慈の今後をこう分析する。

「かつてはアナウンサーの転職というと、フリーアナくらいしか選択肢はありませんでした。しかし今のテレビ業界を見渡せば、フリーアナは完全に飽和状態。局アナ時代は華やかな扱いを受けて活躍していた人も、クイズ番組などで『その他大勢の一人』として埋没してしまっているのが現状です。しかしながら、先ごろ研究者に転身した元日本テレビの桝太一さんや、トヨタ自動車に転職した元テレビ朝日の富川悠太さんのように、『局アナ』という肩書に執着せず、まったく新しい生き方を目指す人もいます。同じく『向上委員会』出身で、明石家さんまさんをはじめとするさまざまな芸人から手荒くイジられたことを上手に生かして吉本興業に転職した久代萌美さんのように、しなやかさと戦略性があると強い。自分は他の誰とも異なる存在であるというセルフプロデュース力を武器にすることができれば、久慈さんにも勝機が見えてくるかもしれません」

 果たして、元フジテレビの看板アナ候補が群雄割拠の芸能界でどこまで通用するか。久慈がひとつのロールモデルとなるかもしれない。(藤原三星)

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