ガッツポーズではない。50代の大人が15歳でガッツポーズしてる場合ではない。しかもその占い師さんは「まあ大体、13歳から15歳ですね。中坊です。佐藤さんはどうあがいても、15歳を上回ることは未来永劫ないでしょう」と血も涙もないことを仰っていた。
散歩していたら、突然激しい尿意に襲われ、「お母さーん!もれる!もれそう!家まで!家までもたんかも!」「もれる!もれそう!」「ああああああああああ!」(すべて原文ママ)と立て続けに3通のメールを妻に送りつけ、そのすべてを妻に無視されるという事態は今後、避けねばならぬ。これ、ツイッターに書いたら多くの方々が「メール書いてる暇があったら家路を急いで」とのリプだったが、ホントその通り。53歳になった今、急に尿意を催した場合、妻にメールする前に家路を急ぐことを俺は学んだのだ。
酔って寝る前に「ねええぇええぇええ!いいじゃんいいじゃん!1回だけぇええぇええ!1回だけだからぁあああぁ!チュウゥゥウウウウ!ほっぺにチュウゥウウウウ!1回だけほっぺにチュウゥウウウウ!」と妻に懇願する事態も53歳になった今、避けねばならぬ。53歳になる前から避けるべきだった。キモい。普通にキモい。息子には「キモいという言葉は誰かを傷つけるかもしれない言葉だからあまり使わないで」と言っているが、さすがにこれはキモい。自分が自分でキモい。
およ。
結局、53歳初コラムも、精神年齢の低さをネタに書いてしまった。てへ。
この1年も、ひとつよろしく。
■佐藤二朗(さとう・じろう)/1969年、愛知県生まれ。俳優、脚本家、映画監督。ドラマ「勇者ヨシヒコ」シリーズの仏役や映画「幼獣マメシバ」シリーズの芝二郎役など個性的な役で人気を集める。著書にツイッターの投稿をまとめた『のれんをくぐると、佐藤二朗』(山下書店)などがある。96年に旗揚げした演劇ユニット「ちからわざ」では脚本・出演を手がけ、原作・脚本・監督の映画「はるヲうるひと」(主演・山田孝之)がBD&DVD発売中。また、主演映画「さがす」が公開中。