■元々は工学系、ケガをきっかけに27歳で医師を目指す

 亀田総合病院に勤務する医師や看護師にはサーファーが多く、プロサーファーも輩出している。同院では年に1度、医療従事者のためのサーフィン大会「カメダカップ」を開催するなど、サーフィンを通じた職員の健康増進や地域振興に積極的に取り組んでいる。

亀田メディカルセンターが主催する医療従事者のためのサーフィン大会「Kameda Cup in Kamogawa」の2019年大会の1コマ(本人提供)
亀田メディカルセンターが主催する医療従事者のためのサーフィン大会「Kameda Cup in Kamogawa」の2019年大会の1コマ(本人提供)

「夜勤もあるのでみんなで集まってということはないのですが、海に行くとだいたい亀田のスタッフに会います(笑)」

 趣味のサーフィンを楽しみつつ、麻酔科医長として後輩の育成にも携わる竹原医師。その経歴を振り返ると、サーフィンを始めたのも、医師を志したのも20代後半だった。

「サーフィンに出合ったのは25歳のとき。工学系の大学院を卒業後、メーカーに就職してから、新しいことを始めたいとチャレンジしました」

 平日は仕事、週末はサーフィンという生活を送っていた時に、転機となるできごとが起こる。腕をケガし、入院や手術、リハビリを経験したことから、医療に興味をもち、医師になりたいと考えたのだ。

「当時27歳だったので、人生のギアチェンジの最後のチャンスと考え、医学部への編入試験を目指しました。編入後は、それまで遠回りした分、4年間しっかり勉強しました」

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研修先の病院で震災を経験、覚悟を決める