日本維新の会の岬麻紀衆院議員が、2019年7月の参院選の選挙公報で経歴を詐称していたとされる問題。同じ選挙公報に掲載していた「杏林大学非常勤講師」との経歴についても虚偽だったとみられることが、AERA dot.の取材でわかった。そのときの選挙では落選したとはいえ、不正確な情報が有権者の判断に影響した可能性もある。
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岬氏は、19年に日本維新の会と減税日本(地域政党)の共同公認として、参院選(愛知県選挙区)に出馬し、26万票あまりを獲得したが落選。昨年10月の衆院選に、日本維新の会単独の公認で愛知5区から立候補し、選挙区では敗れたが比例復活当選を果たした。
しかし、19年の参院選の選挙公報に載せた「亜細亜大学非常勤講師」という経歴について、事実と違うとの指摘があり、AERA dot.が取材を進めると、大学側に、
<岬麻紀及び岬まき、小出麻紀の氏名の者が本学に非常勤講師として在籍していたか確認いたしましたが、委嘱した記録は見当たりませんでした>
などと書かれている内部文書があることがわかった(AERA dot.5月6日配信記事で詳報)。
今回、同じ選挙公報に掲載した「杏林大学非常勤講師」の経歴について、AERA dot.が杏林大学に問い合わせたところ、
「杏林大学が過去に(岬氏を)非常勤講師として委嘱したことはありませんでした。岬氏は2016年から数年間、年間2回程度、外部講師としてビジネスマナーなどを講義してもらったことはあります。謝礼も支払っているはずです。杏林大学では非常勤講師というのは教授会など大学のしかるべき機関で諮られて、委嘱状が交付されます。岬氏には委嘱状は出ていません」
との回答だった。
AERA dot.は、岬氏が支援者に宛てたメールを入手した。そこには、
<5/6のAERA dot.の記事に関してお騒がせしております。私は亜細亜大学では国際関係学部、杏林大学では総合政策各部にて2、3年生を主対象にインターン直前、就活のビジネスマナーやコミュニケーションの単位に関わる正式な授業のコマ講義として担当いたしました。(中略)杏林大学の講義は、まさに2019年の参院選中でもあり、日帰りで講義に上京した日もあります>