オリックスの4番・杉本裕太郎
オリックスの4番・杉本裕太郎

 日本でも、野球のレベルは年々上がり、特に「超一流」「一流」「1軍クラス」「2軍」という格差がより縮まってきている。かつては、年間を乗り切るために、自分の体調を見ながら強弱をつけて戦っていた。年間ローテーションを守る、全試合出場する、といったことはそういうことだった。だが、今は野球全体のレベルが上がり、突出した能力を持った選手でも、出力を抑えながらプレーすると、相手との勝負を勝ち抜けない時代となっている。

 そこにコロナ禍でコンディション維持が難しい状況が重なっている。4月下旬から5月にオリックスは3番の吉田正尚、4番の杉本裕太郎が離脱し、一気に戦力が落ちた。各球団の首脳陣はより目を光らせ、選手をいかにフレッシュな状態に保てるか、という部分が重要となっているし、医療スタッフを含めた球団としての総合力も求められている。

 繊細な管理が求められる今のプロ野球の首脳陣は本当に大変だと改めて感じている。

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝

週刊朝日  2022年5月27日号

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