週刊朝日
週刊朝日 2022年5月27日号

──トニセンとして、V6から引き継ぐものや変えていくものはある?

坂本 何かを引き継いだり切り捨てたりということはないです。V6は後半、年にCD1枚出すか出さないかだったし、集まる回数もすごく少なかったけど、阿吽の呼吸で続けてきた。あの26年間、僕らは走り切ったっていう自負があって、その次へ進んでいくっていうふうに見てます。

長野 V6っていうグループがあったからトニセンは存在します。初めに3人でデビューってなってたら、今みたいな関係性や雰囲気にはなってないと思う。

井ノ原 V6の活動があったからそう思うのかもしれないんですけど、これだけ長くやってくると、自分たちの作品は、その場のほんとの空気感が出るものを残していきたいなって。V6のときも作ってはいなかったけど、「こっちのほうがファンの人たちがうれしいだろうから」「喜んでくれたらそれでいいよね」っていうのはあったので。

 今はファンのみんなが「余生は好きなことだけやってください、私たちはそれを見てるのが好きだから」って言ってくれてる気が、勝手にしていて(笑)。それは裏切れないから、楽しくないことはしちゃダメだと思ってます。

 でも、好きなように生きるって一人じゃできないし、培ってきたものが後になって効いてくる。僕らの姿は、「ここまで頑張ったら自分の好きなように生きていいんだよ」っていう、後輩たちへのメッセージになるのかなとも思います。

 (インタビュー構成・取材/本誌・大谷百合絵、取材/本誌・唐澤俊介、伏見美雪)

週刊朝日  2022年5月27日号

【後編 トニセン坂本昌行・長野博・井ノ原快彦が「先輩から学んだこと」】に続く

■20th Century/トゥエンティース・センチュリー 通称「トニセン」。2021年11月に解散したV6のメンバーのうち年長の3人である坂本昌行(1971年、東京都生まれ)、長野博(1972年、神奈川県生まれ)、井ノ原快彦(1976年、東京都生まれ)からなるグループ。新曲「夢の島セレナーデ」が、各種ダウンロードサイト、音楽ストリーミングサービスで配信中。3人が出演するロケバラエティー「トニセンロード~とりあえず行ってみよ~」は毎月第2・第4金曜日、スカパー!で配信中