■若い女性自信持つべき

──マリン首相の存在は多くの若い女性にとって注目の的だし、目標かもしれない。

マリン首相:私は若い女性をインスパイアしたい。彼女たちは賢く有能で、自信を持つべきです。世界を変えられる可能性を持っています。

──世界経済フォーラム発表のジェンダーギャップ報告書で、2021年、フィンランドは2位、日本は120位だ。フィンランドはヨーロッパで最初に男女普通選挙権を定めた国でもある。

マリン首相:フィンランドの内閣は5党連立ですが、その党首はみな女性で、うち4人は幼い子どもを育てています。私も4歳の娘がいて、夫と分担し、親の力も借りながら子育てをしています。私は、フィンランドがとてもファミリーフレンドリーな国であるようにしたい。若いカップルは子どもを持ちたい、育てたいと願っているので、これは私たちにとって重要です。父親が母親と同じ期間、育児休業を取得できるようにするための改革を決めたのも、そのためです。

 保育園や教育、ジェンダー平等にも多大な投資をしています。女性には家族生活と仕事のキャリアをバランスよく両立する権利があります。教育も大学院まで無償です。

 私たちは(社会が)効率的なだけでなく、国民も必ず幸せであってほしい。これはとても重要なことです。こういう雰囲気が、女性が政治に参加し社会課題に取り組むことにつながっていると思います。女性は社会をバランスよくし、未来を違った視点から見ることもできます。すべてのジェンダー、すべての世代、多様なバックグラウンドを持つ人が国や政策の意思決定に加わるべきです。

(構成/朝日新聞編集委員・秋山訓子)

AERA 2022年5月30日号より抜粋

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