アイスダンスの村元哉中、高橋大輔組
アイスダンスの村元哉中、高橋大輔組
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 5月27日、村元哉中高橋大輔が、配信番組上で現役続行を発表した。2年目の今シーズンは、四大陸選手権で銀メダルを獲得するなど、破竹の勢いの成長を見せた2人。北京五輪出場こそ逃したものの、代表争いでは全日本4連覇の小松原組に肉薄した。 

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 3月の世界選手権では、初出場で16位。村元が故クリス・リード氏とともに打ち立てた日本人最高の11位は更新できず、埼玉で開催される2023年の大会に、日本初の2枠を持ち帰ることもかなわなかった。ただし、手も足も出ない、という形で目標を達成できなかった訳ではない。 

 リズムダンスで村元が獲得したレベル4の要素は、出場全62選手中3名しか辿り着けなかった最高峰の技術だ。一方で、ツイズルの乱れやリフトの綻びなどでは、実戦経験の不足が露呈した。村元・高橋組の場合、結成直後から世界を覆ったコロナ禍の影響で、試合勘を充分に養う事が出来ていない。経験値不足は2人の最大のウイークポイントだが、「クリアできれば充分に世界のトップで戦える」という明確な課題でもある。 

 個々のキャリアで言えばベテランだが、アイスダンスチームとしてはまだ駆け出しの村元・高橋組。このギャップは、2人の大きな強みだ。チームとしてのスタイルが定まっていない分、型にはまらない斬新さを高い技術力で実現することが出来る。今シーズンの「ソーラン節」は、「きわめて独創的」と海外のメディアやファンから高い評価を受けた。来季のテーマ「ラテン」でも、革新的なプログラムが期待できそうだ。 

 配信番組が公開された27日、2人は新たに開設した公式インスタグラムアカウントで、「現在はサンフランシスコに居ます」と語った。同地は、フリーダンス「ラ・バヤデール」を振り付けたマッシモ・スカリ氏の拠点。日本時間28日早朝には、カルガリー五輪金メダリストのブライアン・ボイタノが、スカリ氏もまじえた氷上での4ショットをSNSにアップしている。「かなだい」が、意気込みも新たにいよいよ来季へのスタートを切った。 

(本誌・菱守葵) 

※週刊朝日オンライン限定記事