昨年も高卒2年目だったロッテ・佐々木朗希、ヤクルト・奥川恭伸、オリックス・宮城大弥がチームに欠かせない存在として活躍したが、今年は野手でも高卒1、2年目の選手が1軍で堂々のスタメンを張っている。もはや「大卒は即戦力、高卒は将来性」といった見方は当てはまらない。選手個々に合わせた育成プランを練らなければならないし、監督、コーチ、スカウトは本当にあらゆる可能性を考慮しなきゃいけないから、大変だなと思う。
コロナ禍で主力が突然、10日以上いなくなるのは致し方ないところ。その緊急事態に備えて連日、1軍とファームのコーチ陣が連携をとっている。その中で勢いある若手がブレークして勢いをつけることでチーム力は増す。固定観念にとらわれない起用でチーム力に厚みを増したチームが、秋にほほ笑むことになる。逆に思い切って起用に踏み切れないチームは今季だけでなく、来季以降も考えると置いていかれる。
東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝
※週刊朝日 2022年6月10日号