社会人になってからの「学び直し」が注目されている。実際にタレント業をしながら大学に入ったスザンヌさんに聞いた。学ぶ意味ってなんですか。AERA 2022年6月6日号の記事から紹介する。
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──「おバカタレント」としてブレークしたタレントのスザンヌさんは、今年3月に通信制の高校を卒業した。
スザンヌ:高2まで通っていた高校に再入学して、無事に卒業できました。芸能活動が忙しくなって中退したことがどこかで引っかかっていて。私が出演したテレビ番組を見た母校の先生が、「卒業してみませんか?」と連絡をくれたことがきっかけで、2021年4月に入り直しました。
これまでも何度か連絡をいただいていましたが、仕事も忙しく、子育てもある。学校に通うのは難しいかなと思い、踏み出せませんでした。でも、コロナ禍でオンライン授業になって、私もできるかもしれないと決意しました。
34歳で入学したので、ちょうど17年ぶりの学生生活なんです。この春まで一緒に勉強した高校生の子たちは、私が高校生だったときに生まれたんだと思うと感慨深いですよね。
2度目の学校生活で驚いたのは、「学びたいと思って学ぶってこんなに楽しいんだ」ということ。小学校2年生で九九につまずいてから、自分には勉強は向いていないと思っていました。今も勉強自体は苦手だけど、当時とは楽しさが全然違います。
日本史や世界史の授業を通して、戦争の前後に何が起きるのか、戦後の日本で何が起きたのかといったことも学びました。今、ウクライナとロシアの間で戦争が起きていますが、ニュースを見ていても、背景をふまえて考えることができます。
高校生のときは、テストが終われば詰め込んだ知識は全部忘れてしまったけど、今はけっこう覚えています。リポートをすごく頑張ったら、成績優秀賞のようなものももらったんですよ。「あ、勉強したらこういうのがもらえるんだ」と知ったのも初めての経験でした。