この記事の写真をすべて見る  AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。

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Q:音楽系イベントが再開し始めました。ライブは恒例行事でしたが、「行く行く~」と気軽に決められません。この2年間友人と話すこともご飯を食べることもしていません。行って感染してしんどい思いするのも嫌。感染者が多かった頃は諦めることができましたが、「行くか行かないか」ぐるぐる考えては、頭と心がすり減ります。(女性/無職/37歳/おひつじ座)

A:怒らないで読んでいただきたいんですが、この2、3年で「老けた」人はすごく多いと思います。僕自身もそうです。精神的な意味で老けた。

 気軽に出かけたり、ライブに行こうという気持ちが起こらなくなったり。老けるというのは一種の防衛です。どういうことかというと「望まない」ということ。

 何かを望むのはすごくつらいことでもあります。本当は楽しみたいし人と会いたい気持ちがあっても、それが叶わないとかやっぱりだめになりました、という状況になるとすごくつらい。

 それに対する防衛として「望んでもしょうがない」、と精神的に老けることで思いを封印する。人って本当に不思議だけど、そういう働きがあると思うんですよね。

「行ってもたいして面白いわけがない」と思い込んで、思いを封印してしまう。一度そうなると正当化する理由は次から次へと出てきます。「もう自分もこの年齢だし、生き方を変えたほうがいいんじゃないか」とか。でも僕はこのご相談をいただいた時に、「行った方がいいんじゃない? きっと楽しいよ」と思ってしまいました。

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しいたけ.

しいたけ.

しいたけ./占い師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「しいたけ. 公式サイト」では月刊占いやコラムを連載中。 https://shiitakeofficial.com/

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