ただ、関西の番組だったと思うけど、楽屋に入った瞬間、スリガラスの向こうにカメラマンがいたことがあって、それには「変だな」って不思議に思ったことはある。でも、それもボクの場合は、「ドッキリだ!」とは思わない。「あれ、カメラマンさんがいる、なんでだろう」っていうところで思考が完全に止まっている。次の瞬間から、もう別のことを考えているんだよね。

 そのほかでも、不自然に楽屋の家具の位置が移動していたり、変にスペースが空いていたり、狭くなっていても、ボクは別に何にも思わない。誰かが掃除する時に家具をズラしたのかなって思う程度で怪しんだりなんてしない。

 SNSなどでは、「どうせクロちゃん途中で気づいていたんでしょ?」って指摘されることもあるけど、ほんとうに気づいていない。だって、もし、途中で気づいているのなら、SNSで「ダイエット中」ってつぶやいているのに隠れて大盛り弁当を食べたり、「歩いて帰る」ってつぶやきながらタクシーを使うようなマヌケな行動はしないでしょ。そんなわざわざ自分から嫌われるようなことはせずに、もっと好感度が上がるようなことをするよ(笑)。

■ドッキリのせいで完全に信用を失った

 これまで仕掛けられたドッキリの中で印象深いものといえば、団長が安田大サーカスを脱退するっていうドッキリ。仕掛け人が団長だったんだけど、あれは、ネタバラシの時、ほんとうによかったって思ったよ。団長が「ラッパーになりたい」って理由で脱退したいっていう話だったんだけど、「勘弁してよ」って思った。ボクとHIRO君だけでお笑いなんてできるわけないからね。「嫌だ!嫌だ!」ってとにかく反対しまくったのを覚えているよ。

 それとは逆に、ボクが「アイドルデビューする」っていうドッキリの時は、ネタバラシの瞬間、かなりショックだった。ボクにアイドルデビューの依頼がくるんだけど、もしデビューするのなら、安田大サーカスを脱退しなきゃいけないっていう流れだったんだよね。もちろん、そんな依頼はうそ。もともとアイドルになりたかったボクが一体どんな反応をするのか、団長とHIRO君が別室のモニターで見ているみたいな流れだったんだけど、ボクは、一切迷わず、即答で「安田大サーカスを脱退する」って返事したんだ(笑)。「団長とHIRO君は理解してくれるはずです」っとか言ってね……。あの瞬間から、ボクは二人の信用を完全に失った。

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