同じように、オンライン会議では、話している人の邪魔にならないように自分の声を「ミュート」するのがマナーですが、話し手としてみれば、まったく聞き手のリアクションが返ってこない状況は不安になります。

 そこで、声で「なるほど」とあいづちを打ちたくなったポイントで大きく頷いたり、相手の話に合わせて自然と湧いた感情を素直に表情に出してみます。ゼロから意識的に「顔を作ろう」とすると、わざとらしくなって逆効果ですが、相手の話で引き出された感情を5割増しぐらいで上乗せすると、画面越しでもしっかり相手に伝わりますし、不安にさせません。

 こうして視覚的な“あいづち”を重ねていくと、話している相手はそれが後押しになり、自信を持って自分のペースで話を進めてくれます。

 ちなみに、私の友人は、「モニターの真上の壁に『推し』俳優の写真を貼ってみたら、無表情になってしまうリモート会議で自然と笑顔になれた」とうれしそうに教えてくれました。なるほど! その手があったか!と思わず唸りました。これも日々の仕事を楽しくするための自分だけの新様式ですね。

 文字通り「アウェイ」でなく「ホーム」で、自分に合った方法にアップデートしながら、プラスに生かしていきましょうね。

【ここまで聴いてくれたあなたへ】
「こんなこと…… 」と思う小さなネタが、リモート会議を盛り上げてくれる。

(構成/小川由希子)

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