全体の広告の数や売上が増えているのに、広告収益が減るYouTuberがいるということは、逆説的に広告収益が増えているYouTuberがいるということでもあります。「YouTuber全体でやばい」のではなく、「YouTuberの間で広告収益の格差が生まれている」が実情なのかもしれません。YouTubeは、ジャンルによって1再生あたりの広告単価が大きく異なります。全体としては、エンタメ系よりも教育的な内容がある動画の方が、広告の単価も比較的高い傾向があります。冒頭の、ぷろたんさんの動画のジャンルは、非常に大きな括りだと、エンタメ系だと思います。エンタメ系は、特に広告収益が上下しやすい傾向があります。

 YouTubeのアルゴリズムはブラックボックスであり、あくまでも推測ですが、単語や動画の内容によって掲載される広告の種類が制限されている可能性もあります。きわどいサムネイル、タイトル、内容の動画がチャンネル内にあることも、広告に影響している可能性はあります。YouTuberの広告収益は、ジャンルや再生されている地域によって、大きく異なるのが実情です。「広告収益が上がった」「広告収益が下がった」というのも、特定の動画やチャンネルのみで起こることもあれば、ジャンル全体で起こることもあります。広告収益の上下については、全YouTuberに当てはまる事象は、なかなか起きなくなっています。

 どのジャンルのYouTuberも、広告収益が激減した時のことを考えて生活するのがベターです。ぷろたんさんは、8年も活躍しているYouTuberなので、その点は非常にしっかりしています。「将来どうなるかわからない」ため、家賃などの固定費を増やさないことは、賢明な判断で、さすがだと思います。

 YouTuberという仕事の不安定さを最も自覚しているのは、YouTuber自身です。実は、常に不安と戦いながら働く職業でもあります。YouTuberは、YouTubeの規約やアルゴリズムの変更や広告収益や再生回数の上下にも耐えなければならないので、リスクに備えるタイプの人が長く生き残ります。派手にお金を使うイメージがあるかもしれませんが、多くのYouTuberは、一時的に上がった収益がずっと続くものだとは考えず、貯蓄したり次の事業を展開したりします。そうしないと、将来的に生活に困窮するのが、「YouTuberとお金」の実情です。

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なーちゃん

なーちゃん

なーちゃん/二児のママ兼YouTuber。2014年にチャンネルを開設。長男・こうちゃんと出演する動画は子どもから親まで幅広い層から人気を集め、”ファミリー系YouTuber”としてカリスマ的存在に。登録者数209万人、総再生回数13億回(2019年10月時点)を誇る。

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