8月31日、アンナミラーズ国内最後の店舗、高輪店(東京都港区)が閉店する。アンナミラーズはアメリカ西海岸で生まれたレストラン。日本では1973年、井村屋が東京・南青山に1号店を出店。ピンク、オレンジなど数色あるユニホームも人気となり、一時は首都圏に20店超を展開した。ファッションデザイナーのドン小西さんがそのユニホームをチェックした。
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閉店が決まったこの店で、商品のパイ並みに、いや、パイ以上に惜しまれてるのが、このユニホームだよ。ポイントはバストを強調したミニのジャンプスカート。元々はドイツの農民の民族衣装をアメリカ人がデフォルメしたものだと思うけど、それだけにネイティブでかわいいお色気があってさ。レストランなのに、ユニホーム目当てに店に通った男子も多かったよね。
ま、あたしもいろんなユニホームを作ったけど、清潔感や動きやすさなんかに加えて、必須と言われたのが時代性なんだよ。この店のオープン当時は女性ボウリング選手のミニスカとか、健康的なお色気のユニホームが人気だったけど、今は完全に時代遅れ。だいたいこのジェンダーレスの時代に、かわいいとかお色気とかもないもんだよ。
要は、ここまで残ってたのが奇跡みたいなもん。若い頃、通いつめたというお父さんたち。古き良き時代のユニホームを、この機会に焼き付けていただいて。
■評価は……?(※満点は5DONです)
3DON! 「かわいらしさに思わず遠い目」
(構成/福光恵)
※週刊朝日 2022年7月1日号