そんななか52歳で3度目の結婚をしたんですけど、入籍の2週間後に夫が病気で亡くなって。ほんとに急だったから、ものすごくショックで、大変でした。自分みたいな人はいるんだろうかと、ブログとかで似た境遇の人を必死に探す日々で。そこから抜け出せたのは仕事があったからです。お店に立てばお客様と話をするから、助けられました。まあ、思い出したりするとまた泣けてくるんですけど、3回忌を過ぎたあたりからは自分の人生を生きようと思えるようになりました。

 59歳でインスタグラムを始めたんですよね。当初は食べ物とかをアップするだけでした。でもあるとき白髪染めをやめてヘアスタイルをアップしたら、いいねがすごくたくさんついて……。いくらお化粧しても、髪の根元に白い部分が出るのは疲れてみえるしおしゃれじゃない。でも頻繁に染めに行くのは髪にも頭皮にもよくない。もう疲れちゃって、だったら自分の唯一無二の髪色を生かしたほうがいいなと思ったんです。そのうち、髪だけでなくメイクやファッションにも反響を頂くようになって、雑誌からモデルのオファーも届いたりして。60代でもおしゃれを楽しんでるっていうことが求められているんだなと思いました。ちょうど美容部員の仕事をやり切った感も芽生えてきていたので、累計30年勤めた化粧品会社を辞めて、モデルやSNSでの発信といった活動に本格的に取り組むようになりました。

 私、元々は前に出るのが苦手なタイプなんですよ。幼いころ、母だか親戚のおばさんだかに「女の子なんだから前に出るな」って言われて。そういう言葉ってずっと頭の隅にあるもので、自己肯定感が低かったんです。それがね、人って変わるんですよ(笑)。モデルの世界に飛び込むのは、もちろん不安はありました。でも、元気だった旦那さんが突然亡くなるのを間近で見て、人生後半を悔いなく生きたいと思って。自然と人の後ろにいるような自分を変えたい、自分を認めてあげないとだめだって、ようやく気づきました。

暮らしとモノ班 for promotion
インナーやTシャツ、普段使いのファッションアイテムが安い!Amazon スマイルSALEでまとめ買いしたいオススメ商品は?
次のページ
年齢が上がることをマイナスだと思わない