普通、3回結婚したなんて言ったら引かれますけど(笑)、私そのときそのときは一生懸命だったんですよ。でもたまたま縁がなかった。だから何も後悔はないです。まあポジティブに生きなきゃ生きられなかったっていう面もありますけどね。強くなっちゃった(笑)。私らしさって、失敗もしてきたけど好きなことにどんどんトライしてアップデートしてきた、みたいなところかな。守りに入るっていう考えはないですね。好奇心旺盛だから、何でも試してみたいんですよ。

 美容部員だったころ、化粧品を勧めても「年だからそんなのつけても変わらない」って言うお客様がよくいました。でもトライしないとわからないじゃないですか。いいものが見つかるかもしれない。合わなかったらやめればいいだけです。私このあいだ、形がよくてかわいかったからプチプラブランドでメンズのパンツを買いましたよ。ブランドなんて関係ない。そういうおしゃれで面白いものを見つけると楽しいです。

 年を重ねたからこそ似合う洋服もヘアスタイルもあるから、それを武器に生きていきたいと思ってます。私、年齢が上がることをマイナスだと思わないし、そもそも全く気にしないから、還暦も今までと変わらずさらーっと過ぎていきました。若くありたいのではなく、今の自分を素敵にしたいだけ。そのためにはファッションとメイクって大事だし、自分の心持ちも大事。そんなメッセージをもっと発信していきたいですね。私を見て、「真似したい」とか「元気になる」って仰ってくれるみなさんの刺激になるようなことができたらいいなと。

 モデルはそのための表現方法の一つ。今を生きているタイプなので、やりたいことはそのときそのときで変わるかもしれないです。ご縁があったら、パートナーもほしいですよ。このあいだ、40代くらいの友人とランチをしたんですけど、周りにいい人いたらよろしくお願いしますって言っといたの。結婚はしなくてもいいから、私をサポートしてくれる人がそばにいてくれたらいいな。……すごい私中心ですけど(笑)。 

ふじわら・たみこ/1959年、山梨県生まれ。SNSをきっかけに60歳からモデル活動を開始。30年間の美容部員のキャリアを通して磨いたメイク術や、「プラチナヘア」と呼ばれる白く輝く髪色も話題となり、雑誌「素敵なあの人」や化粧品会社shu uemuraなどのモデルとして活躍。今年3月に初の著書「60代から輝く! ファッション・メイク・生活スタイル」を出版。インスタグラムのアカウントは@ta.mi.ko_f05

(構成 本誌・大谷百合絵)

※週刊朝日 7月1日号の記事に加筆

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大谷百合絵

大谷百合絵

1995年、東京都生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。朝日新聞水戸総局で記者のキャリアをスタートした後、「週刊朝日」や「AERA dot.」編集部へ。“雑食系”記者として、身のまわりの「なぜ?」を追いかける。AERA dot.ポッドキャストのMC担当。

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