中日・福留孝介(写真提供・中日ドラゴンズ)
中日・福留孝介(写真提供・中日ドラゴンズ)
この記事の写真をすべて見る

 中日・福留孝介が6月13日に出場選手登録を抹消された。プロ24年目、球界最年長の45歳は今シーズンここまで23打数1安打で打率.043。周囲からの二軍降格を求める声に対して立浪和義監督は我慢を続けていたが、ついに決心した形だった。10代の頃から注目を集めてきた天才打者が、野球人生の大きな岐路に立たされている。

【写真】イチローが「本当の天才」と言った男とは

 二軍落ちに関して立浪監督は「本人もきつかったと思う、大事なところで使ってましたし」となかなか結果を残せなかった大ベテランを気遣った。

 福留と立浪監督は現役時代、9年間にわたって同じユニホームを着て戦った間柄。立浪監督は福留の長所、短所の両方を知り尽くしており、使いどころは熟知していたはずだった。しかし、これだけ結果が出なければ1つの区切りをつけなければならない。

「大ベテランになってからの難しさは監督自身が誰より理解している。若返りの過渡期にある中日では、結果以上に福留の存在感を重視していたはず。しかし打撃の内容、結果が悪すぎた。加えてチーム状態も悪化し、低迷しているというのも影響があった。2~3本で良いからヒットが出ていれば一軍に残していたのではないか」(中日担当記者)

 福留の今季初安打は5月26日の西武戦(バンテリンドーム)、26打席目にようやく生まれた。それまで犠飛が2本あったが、ヒットが1本も出なかった中での一打にドーム内は大歓声に包まれた。

「ダッグアウトも湧き上がりベンチ裏まで大きな声が聞こえた。中にはハイタッチする者もいたほど。孝介は球道者というか常に自分のペースを大事にする。自らチームを盛り上げるタイプではないがプレーで尊敬を集めている。今季苦しんでいた姿を誰もが見ていたので、選手、関係者の誰もがホッとした」(中日関係者)

 初安打を放った際には相変わらずの存在感を示したが、結果的に二軍落ちとなった。打席の内容、チームの低迷、そして年齢など多くの要因が重なり、一軍では現状戦力にはならないと判断された。

次のページ
福留の出場チャンスはもうない?