やっと、この日がやって来た。
取材やいわゆる「推し活」で2カ月に一度は訪れていた韓国。2020年1月もガイドブックの取材のため5日間ソウルに滞在し、すぐにでも再訪するつもりだった。ところが、その後まもなく新型コロナウイルスが世界に蔓延。国を越えた往来は制限され、韓国に行くことはできなくなってしまった。
それから2年5カ月――。もはや韓国は、パソコンやスマホの画面を通してしか見ることのできない場所となり、「このまま一生、行けないのかもしれない…」などと、あきらめの境地に達しかけていた頃だった。コロナ禍以降初となる韓国観光公社主催のマスコミ関係者向け視察旅行で渡韓できることになったのだ。日程は22年6月15日~19日の4泊5日。ウィズコロナの現在、以前と変わらず韓国旅行を楽しめるのか。まずは入国の様子からリポートしたい。
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今、韓国はビザがないと行けない国だ。「今週末はソウルで焼き肉!」なんて気軽に飛んでいたコロナ禍前が夢のように感じられる。ただ、22年6月1日からは観光目的での入国が可能となり、一般観光ビザの発給がスタート。初日には東京・南麻布の韓国領事館前に、前日からの徹夜組を含め渡韓を待ちわびる人たちの長い行列ができた。ビザの申請や入国前後のPCR検査の義務化といったハードルはあるものの、少しずつ門戸が開かれ始めている。
今回は、入国許可関係の手続きは韓国観光公社がしてくれたが、陰性証明書の用意とQ-code(検疫情報事前入力システム)への登録は渡航前に自分で行う必要がある。陰性証明書は規定の項目が英語または韓国語で記載されていないといけないため、対応した証明書が発行される検査機関を予約し、出発前日の朝にPCR検査を受けた。検査の結果が陽性であれば、韓国入国どころか家の外にも出られない。緊張しながら結果を待ち、約3時間後、無事に陰性の通知がきた。
Q-codeは、搭乗前までに登録しておけば入国の際の手続きが短縮される。専用ウェブサイト にパスポート番号や韓国で宿泊する場所の住所などを入力し、陰性証明書をアップロードするとQRコードが発行されるので、それを保存すれば事前準備は完了だ。