一般リケジョには資格取得と在宅勤務をアピールせよ
医学部を望めるほどには偏差値が高くない理系女子高生にも打つ手はある。例えば、工学部で情報系の資格取得をサポートできるカリキュラムは魅力的に映るだろうし、弁理士のような知的財産系の資格サポートカリキュラムも女子受験生を集めるのではないか。
経営工学系の学科で「経理系資格×IT資格」ダブル取得を応援すれば、就職には困らないだろう。かねてより理系学部の中でも建築学科・獣医学科・食品衛生学科など資格に直結する学科は女子学生率が比較的高い実績がある。
医師や教師などの古典的職業に比べて、テレワークが可能でパソコン一台あれば「自宅で子供の就眠後に仕事」のような働き方の自由度の高い仕事はコロナ禍によって浸透しつつあり、現代女子高生のニーズにも合致しているはずだ。
地方の家庭では「子供を都会の大学に出すと、そのまま就職して帰郷しないのでは」と不安を抱く保護者もいる。大学の工学部は、それを払拭ふっしょくすべく「東京のIT企業で職歴を積んだ後、地方でリモートワーク」のような事例をホームページなどで紹介するといいだろう。
リケジョの婚活なら、工学部>医学部
工学部は恋愛や結婚などプライベートにも効果絶大だ。
昨今の女子高生医学部ブームの結果、東京近郊の私立医大では、「男女比1:2」のケースもある。医大に入学したら男性医師や医大生をゲットする」と意気込んだものの、周囲は似たような女子学生が多く計算通りにはいかない。
「卒業後の婚活」はさらに困難となるケースもある。前述のように、病院には女医のみならず看護師・薬剤師・事務職も女性率が高く、男性医師獲得への競争率は年々アップしている(もちろん女医全員が男性医師を狙っているわけではないが)。
一方、工学部の多くは女子学生率が2割以下で、工学部の就職先でも全般的に女性社員率は低い。社内結婚を選択する場合、婚活には絶対的に有利である。特に機械系のように女性率が極端に低い学科は“女性”というだけでお姫様扱いされる。医療界ではあり得ない好待遇を受けられる可能性を秘めている。
異性にモテたい、そして確実に結婚したい。そんな本音を持つリケジョにとって「これからの日本においては、医学部/医療系一択ではなく、工学部を中心としたSTEM進学も明るいよ」と伝えておきたい。