日に日に姿を変えながら私たちを照らし、季節の移り変わりを知らせてくれる月。

今回は、4月から7月にかけて注目したい月に関連する天文イベントをご紹介します。

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【4月17日】今月の満月は「ピンクムーン」。雑節では、春の土用入り

「ピンクムーン」は、"ピンク色に染まった月"を意味するのではなく、ネイティブアメリカンが毎月の満月に付けていた名前です。由来は、この時期に花を咲かせるシバザクラやキキョウナデシコといったフロックス属の花たち。可憐なピンク色に、大地が彩られる季節をあらわしているのですね。

この日は春の土用入り。土用は、季節を的確に知るために設けられた暦日のひとつ、雑節にあたります。立春・立夏・立秋・立冬の直前の約18日間を指し、それぞれ「春土用」「夏土用」「秋土用」「冬土用」と呼ばれています。

土用は季節の変わり目の時期で、次の季節ヘの準備期間の意味合いがあります。天候が日々変化するため、体調管理に気をつけて過ごしたい時です。今年の春土用は4月17日から5月4日まで、翌日の5月5日には立夏を迎えます。

【6月18日】7つの惑星が勢ぞろい!月も加わり、8つの天体が一列に並ぶ

6月中旬から下旬にかけて、夜明け前の空に太陽系すべての惑星が集合します。夜間に全惑星が地平線の上にある機会は、滅多にないめずらしい現象です。

6月18日の日の出1時間前、南空に月齢18の月があり、そこから東の地平線に向かって弧を描くように、土星、少し離れて海王星・木星・火星の3惑星が位置し、東の低空に天王星・金星・水星が順に並びます。水星、金星、火星、木星、土星は、肉眼で見える明るさ。同時に5つの惑星を観察できる、またとない機会です。ぜひ、早起きして挑戦してみましょう!

水星は地平線からの高度が低いため、見つけるのが難しいかもしれません。視界がひらけた場所から観察したいですね。海王星は約8等と大変暗いため、残念ながら肉眼では見ることができません。天王星も約6等の明るさで、やはり肉眼で見るのは難しそうです。事前に位置を知っておいて、双眼鏡や望遠鏡を使うと、より見つけやすいでしょう。

画像:国立天文台
画像:国立天文台

【7月14日】2022年最大の月「スーパームーン」

1年のうちで地球の中心と月の中心が最も近い満月を「スーパームーン」、逆に最も遠い満月を「ミニマムムーン」と呼ぶことがあります。このような現象がおこるのは、月の軌道が円ではなく、やや楕円形をしているため。スーパームーンはミニマムムーンに比べて、直径は約1.14倍大きく、明るさも1.3倍ほどの差があります。

今回は、満月になる時間が午前3時38分頃。13日の深夜から14日の明け方までは、スーパームーンに近い月の姿を観測できそうです。

・参考文献

『アストロガイド 星空年鑑 2022』 アストロアーツ

・参考サイト

国立天文台「ほしぞら情報」