長かった夏休みが終わり、学校ではまもなく2学期が始まります。18歳以下の子どもの自殺が1年でもっとも増えてしまうこの時期。学校に行くのがつらい、逃げられないと思いつめてしまっている子どもたちに、自身も中学時代に不登校を経験し、不登校の当事者やその親400人以上に取材をしてきた不登校ジャーナリストの石井しこうさんがメッセージを届けてくれました。

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 もうすぐ夏休みが終わろうとしています。もしかしたらあなたは今、とてつもない恐怖感を抱いているかもしれません。夏休みが終わることを考えるだけで心が苦しくなる、どうしていいのかわからない……。

 まず伝えたいのは、それは、ちっともおかしな感情ではないということ。学校が怖かったり、行くのがつらいと思ったりすることは自分が怠けたからでも、自分が弱いからでもないです。きっと、あなたのなかでまだ言葉になっていないだけで、何かしらの理由があって、怖かったり、苦しかったり、行きづらいと感じたりしているのだと思います。

「怖い」「つらい」と思わないようにしようとすればするほど、余計につらくなります。だから、つらい気持ちにはふたをしないでほしいです。今の自分の気持ちを受け入れることが、ここから先に踏み出すための一歩になります。

「学校に行きたくない」と言っても、先生や親は許してくれないかもしれない。もしそんなことを言ってしまったら、今までギリギリのところでがんばってきたものたちが、何もかもなくなってしまう……。だから、「学校に行かない」という選択肢はありえないと思うかもしれません。

 ただ、その一方で信じてもらいたいのが、私自身もそうでしたが、これまでに取材した不登校の人たちや芸能人でいえば中川翔子さんなども学校に行かなかった経験があるけれど、そういう人たちもなんとかなって、たしかにここにいるということです。私自身は中2で不登校を経験して、その後30年くらい生きていますが、ふつうのおじさんになっています。でも、そんなことを今言われたところで、遠い話に思えてきますよね。

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石井志昂
石井志昂

石井志昂(いしい・しこう)/1982年東京都生まれ。中学校受験を機に学校生活が徐々にあわなくなり、中学2年生から不登校。フリースクールに通ったのち、NPO法人で、不登校の子どもや若者、親など400名以上に取材。現在はNPO法人を退社しジャーナリストとして活動中。著書に『「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること』(ポプラ社)『フリースクールを考えたら最初に読む本』(主婦の友社)。

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