「支持率や目先の景気回復が必要になる。それがないと、財政金融政策の正常化は難しくなる」

 上野剛志・ニッセイ基礎研究所上席エコノミストはこう話す。上野さんは岸田首相について、すぐに財政金融政策の正常化を進める考えでもないとみる。状況が許せば正常化に舵を切りたい気持ちはあるだろうが、景気の回復や、副作用への世論の理解が必要と指摘する。円安を止めたいが、利上げで金利が上がると景気も悪くなる。

 前出の野さんも、岸田首相は、補助金などの物価高対策を優先し、必要なときはお金をつぎ込み、最優先事項は財政正常化ではないとみる。

 ただ、日本銀行が目標としてきた物価上昇率2%はすでに達成するようになっており、国民の生活に悪影響も出始めている。岸田首相が国民の側を向いて政治ができるのであれば、じわりじわり財政再建に舵を切る可能性もあるかもしれないという。(本誌・浅井秀樹)

週刊朝日  2022年7月29日号

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