――羽生選手が戦ってこられた時代は4回転がかなり過熱した。その中で、それでもチャンピオンとして高いレベルで引っ張ってきたと思います。チャンピオンでありながらリードしてきた自負について、いまどのように思いますか。今後マリーニ選手も4回転半に挑戦してたり、もしかしたら5回転ということも出きたりするかもしれません。これからへの期待について、感想をお願いします。
ありがとうございます。えっとー、そうですね。僕がフィギュアスケートを始めてすごく憧れをもった、フィギュアスケートのトップの選手たちに憧れをもった時代は、4回転ジャンプがプログラムのなかに2本入ってたらすごいことだったんですよね。で、今の時代みたいにそんな4回転ジャンプが何種類も何種類も跳ばれるわけではないですし、1種類で2本だったりトリプルアクセルがあったり、そういう時代でした。
それからまた4回転がなくなったりだとか、4回転を跳ばなくても勝てるような時代が来たりとか色々あって、今、現在に至ってます。
でも、なんか僕が好きだった、というか今も好きなんですけが、僕が好きなフィギュアスケートってやっぱり僕自身が憧れた時代のスケートなんですね。なので、あの時代に4回転ジャンプを3本跳んだら優勝なのかって言われたらそんなこともなくて、トリプルアクセルいっぱい跳んだから勝てるのかって言ったらそんなこともなくて……。もっともっと心から何かを感じられるような演技、この人の演技見たいなって思ってもらえるような演技をこれからもし続けたいなと思ってます。
僕自身がそういう演技をこれまでもやってこれたかっていうのはちょっと自分だけでは評価しきれないのですが、でもこれから、僕自身がそういう演技をもっとしたいなと思ってます。これからの競技フィギュアスケート界がまたルールが変わったり、毎年ルールがちょっとずつ変更したりはあるんですが、これからルールが変わったり、またいろんなことがあるかもしれないですけど、僕は僕の、僕が大好きだった時代の、僕が追い求めている理想の形のフィギュアスケートをさらに追い求めたいなと思っています。
――北京オリンピックのあとに「報われない努力だったかもしれないけど」と話されました。同時に、「これ以上ないくらい頑張った」とも仰っていました。これまでの競技者としての自分の努力というものをどのように振り返っていますか。 そして、それがプロスケーターとしてどのようにつながっていくと考えていますか。