「学生モード」から「社会人モード」への転換

 繰り返すが、今後の就活は「ゴール」ではなく「スタート」だ。

 就活生に求められる意識は、小中高、そして大学(あるいは大学院)まで続いた「学生モード」から、社会の現場に出て働く「社会人モード」へと、自分の意識や行動を大きく転換することである。

「学生モード」では、指定されたテキストを使って教師が手取り足取り教えてくれ、解答のある問題を解き、より高い点数を取るほど、周りから評価された。

「社会人モード」ではそれが180度変わる。自分から行動し、答えのない課題に取り組まなければならない。結果はやってみなければわからないし、公平な評価基準があるわけでもない。就活を通して、そうした「社会人モード」の一端を知り、慣れておくことが重要なのだ。

  親自身、社会人としての先輩であり、子の成長をずっと傍らで見守ってきたはずだ。 親に求められるのは、子が「学生モード」から「社会人モード」へと、意識や行動を変えていくのをサポートすることであり、それは子育ての集大成ということでもある。

 親が子の就活を心配するのは当たり前。ただ、それが高じて、「親ブロック」を発動したりするのは本末転倒である。

 最初に入る会社はどこがいいか。そこでどんな経験を積み、自分のキャリアを磨いていくか。どうレベルアップしていくのか――。そうした我が子と同じ目線で就活を見守り、社会人としてのスタートを応援してあげてほしい。

 それが真に理想的な「親子就活」の姿なのである。

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