いつまでも若い人は「昔話をしない」

 それに抗って生きる人もいますし、40歳を超えてからも大学に入り直してイチから学び直すこともありますが、日本ではまだまだ少数の人たちです。

 なぜなら、「経験」が邪魔をするからです。

「私は20歳から40歳までの20年間、これだけのことを積み上げてきた」という自負もあるでしょう。それをゼロから見直したり、信じているものを壊すようなことは、相当な労力がかかります。

 いつまでも柔軟な考えをする人には、ある特徴があります。それは、「昔話をしない」ということです。話題のトピックがつねに「現在」や「未来」に向いています。

 おそらく、「昔話をすることによる弊害」に自覚的なのでしょう。若い人を昔話で説教するのは、きっと気持ちのいいことですからね。

 それに抗えなかった人たちが、「老害」へと変貌していきます。老害の厄介なところは、自分が老害であることに気づかないことです。

 渋谷のような街に行くと、「なんだこの人混みは……」とうんざりすると思うのですが、そう言っているあなた自身も「人混み」の一部です。それと同じように、自分の老害ぶりに気づけないのです。

40歳からも柔軟に生きるためのコツ

 まず、そうならないためには、20代や30代のうちに、正しく考える「論理的思考」を身につけることが必要条件です。

 あるいは、40歳を超えても年下から意見を言ってもらえるような「環境づくり」をしておくのもいいでしょう。

 そして、「さすが!」という言葉には要注意です。それは、過去の経験を元にして発せられる言葉だからです。

「(昔に成功していた。だから)さすが!」なのです。それは過去から見たあなたへの評価であり、今に根ざしたものではないのです。

 もし、あなたが周りから「さすがです!」と言われることが多くなったとしたら、「あれ、このまま調子にのると自分が老害化していくかも?」と振り返ってみましょう。

暮らしとモノ班 for promotion
台風、南海トラフ地震、…ライフライン復旧まで備える非常食の売れ筋ランキング
次のページ