間宮:うれしいです。
林:着物の所作は習ったんですか? あ、大河ドラマ(「麒麟がくる」20年)に出てらっしゃるから……。
間宮:はい、大河のときに習いました。でも、それが自然に行えてるのかどうか、あんまり自信はないですけど。
林:私、この映画で男の子の袴ブームが来るんじゃないかと思いましたよ。
間宮:いま流行ってるみたいですよ。浅草のほうで、おもに女性たちが大正時代の格好をしてカフェみたいなところでインスタ(インスタグラム)の写真撮ってるみたいなことを、このあいだニュースで見ました。
林:そうですか。私はよく街で男の子が着流しで女の子と歩いてるのを見ますけど、袴もカッコいいなと思って。昔の日本男児、脚が短かったけど、袴って脚が長い人にも似合うんですよね。間宮さんがお召しになるからかもしれないけど、両手を足の付け根にピタッと置いて正座している姿もきれいだし、凛々しい日本男児という感じがして、いいなあと思いました。
間宮:そうですか。ありがとうございます。(頭を下げる)
林:明治の青年に成り切っちゃって、たたずまいとか、言葉遣いとか、ちょっとしたしぐさとか、令和の人じゃないですよ。俳優だからできるっていうものでもないような気がする。
間宮:それはうれしいです。たぶん撮影現場の空気もよかったからかなと思いますね。前田監督はすごく静かで、じっと自分たちの演技を見つめてる感じの方で、いろんな撮影をしましたけど、明治にトリップしやすい現場の空気感だったと思います。
(構成/本誌・唐澤俊介 編集協力/一木俊雄)
※週刊朝日 2022年7月22日号より抜粋