1955年以来日光軌道線の予備機関車として残されたED602は1921年製の古豪。日光軌道線廃止後は国鉄ED4010に復元された。ED40型で唯一の現存車である。日光車両区(撮影/諸河久:1968年2月13日)
1955年以来日光軌道線の予備機関車として残されたED602は1921年製の古豪。日光軌道線廃止後は国鉄ED4010に復元された。ED40型で唯一の現存車である。日光車両区(撮影/諸河久:1968年2月13日)

重要文化財指定の貴重な電気機関車

 最後の写真が日光軌道線に初めて導入されたED600型電気機関車だ。その前身は1921年に鉄道省大宮工場で製造された国産初の本格的電気機関車、ED40型である。往時は国鉄信越本線碓氷峠のシェルパとして働いたED406とED4010の二両が、先述の施設を改良した日光軌道線に貸し出され、戦後正式に譲渡された。東武鉄道ED4000型として貨物輸送に稼働し、ED610が増備された1955年にED600型に形式を改めた。旧ED406のED601は翌年廃車され、ED602(旧ED4010)がED610型の予備機として残っていた。

 日光軌道廃止後は国鉄に戻り、ED4010に復元。「準鉄道記念物」として国鉄大宮工場で保存展示された。2007年からは大宮に開館した「鉄道博物館」車両ステーションに収蔵され、2018年に国の「重要文化財」の指定を受けた貴重な電気機関車だ。

■撮影:1967年7月26日

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