AERA 2023年1月23日号より
AERA 2023年1月23日号より

■2割8分が最低ライン

 レッドソックスは主軸を打っていた中心選手が次々に退団し、変革期を迎えている。新戦力として吉田、ベテランのジャスティン・ターナー(38)の加入が決まったが、「最下位の昨年よりチームが弱体化している」と地元ファンからはSNS上で冷ややかな声が目立つ。

「ターナーは全盛期を過ぎた選手。打線全体の小粒感は否めない。レッドソックスはヤンキースと並ぶ人気球団でファンの注目度が高い。活躍すれば称賛されるが、打撃不振が続くようだと容赦なくバッシングされる。吉田は外野の守備能力、走塁にたけているわけではないので打撃で結果を残すしかない。打率2割8分、15本塁打が最低ラインになるでしょう」(前出の米国駐在の通信員)

 だが、オリックスを取材するスポーツ紙記者は「吉田なら大丈夫でしょう」と活躍に太鼓判を押す。

「自分の世界を持っている選手で、打てなくてもペースが崩れない。ちょっと天然なところがあり、神経が図太いんですよね。落ち込んでいる姿を周りに見せない。気持ちの切り替えが早いのも、コンスタントに高水準の成績を残している秘訣(ひけつ)だと思います。150キロを超える直球をきっちり捉えられるのも強みです。常時スタメンで試合に出続けられる環境なら、打率3割をクリアできると思います」

(ライター・今川秀悟)

AERA 2023年1月23日号より抜粋