コロナ禍で苦闘する介護業界(写真はイメージ/GettyImages)
コロナ禍で苦闘する介護業界(写真はイメージ/GettyImages)
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介護施設でクラスター発生」……悲痛なニュースが飛び交った昨年から、介護業界の人手不足が加速しています。介護職でなく高齢者の入居控えも進むなか、ホームの運営にも工夫が求められています。現在発売中の週刊朝日ムック『高齢者ホーム2022』から抜粋して紹介。



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■新規オープンしても 働く人が足りない

 新型コロナウイルス感染症の拡大により、避けられることも多い接客業。とくに介護業界は苦闘しています。淑徳大学総合福祉学部の結城教授は、「もともと人手が足りていない業界ですが、コロナ禍が人手不足に拍車をかけました」と言います。

 また、高齢者ホームの情報サイト「LIFULL(ライフル)介護」編集長の小菅さんもこう言います。

「介護業界は、不景気になると他業界から人が流れてくる傾向があります。しかし今回のコロナ不況下では、求職者が増えた実感があるという声は現場からは聞こえません。新規オープンした3階建てのホームで、スタッフが集まらず、人員不足ですべてのフロアを稼働できないという例もあります」

 このような状況を反映してか、2020年には、介護事業所の倒産件数が過去最多を記録。感染した場合、とくに重症化しやすい高齢者が、利用を控えたことによると見られています。

【グラフ】過去最多!介護事業所はこんなに倒産している

2020年の介護事業所の倒産件数は118件で、過去最多となった。データは東京商工リサーチから
2020年の介護事業所の倒産件数は118件で、過去最多となった。データは東京商工リサーチから


「ホームに住む人だけでなく、皆、家に閉じこもりがちになってしまっており、デイサービスなどを利用したがらない人もいると思います。ホームも感染対策に疲弊しています」(結城教授) 

■見学、レク、面会 ホームの対応を確認

 コロナ禍で、ホームを選ぶ際のポイントも増えました。小菅さんは次の3つを挙げます。

「見学の方法、レクリエーションの工夫、面会の可否に注目しましょう。見学はオンライン化により、離れた家族も一緒に見学できる、時間と費用を節約できるため多くのホームを比較検討できるといったメリットも生まれています。また集団でおこなうことの多いレクリエーションを、いかに工夫しているかもポイントです。タブレット端末を使った脳トレなど、個別に実施できるレクで入居者の生活の充実を図るホームも増えています」

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動画でのホーム見学に期待