東京パラリンピックは8月28日、柔道の女子57キロ級があり、廣瀬順子(30)が出場する。夫は90キロ級に出場する悠(42)。AERA2019年9月23日号のインタビューを紹介する(肩書、年齢は当時)。
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視覚障害者柔道で夫婦そろってメダル獲得を目指す廣瀬悠と順子。リオで先に銅メダルを取ったのは順子だったが、注目されるなど環境の変化もあり調子を落とした。「リオの後、初めて出た世界大会の1回戦は15秒で惨敗。3位決定戦も30秒で一本負けしてしまいショックでした。でも、そこから悠さんに防御を教えてもらったら勝てるようになりました」
その後出場した世界大会で金、銀、銀の快進撃。指導はもちろんのこと、ビデオで特徴を研究し仮想ライバルを演じてくれる悠の支えがあって世界ランキングはリオ時の7位から2位に上昇した。
一方、11歳年上の悠も「順子のおかげで躍進できた」と妻に感謝する。
「年齢を重ねると気持ちでは反応しているつもりでも体がついていかない。悩んでいるときにヒントになったのが、やられる前にやるという攻撃的な順子のスタイル。先に攻めることを始めたら成績が上がりました」
世界ランク25位前後だったのが最近は15位前後にアップしたという。防御型の悠が順子スタイルを取り入れ、攻撃型だった順子が悠の防御スキルをものにした。夫婦が互いのメンター役をきっちりこなし、双方の柔道人生を好転させた。
夫が「負けを受け止めてコツコツ努力できる鉄のメンタルと、練習でできない技をやってのけるところ」と妻の強みを挙げれば、妻は「楽しく柔道をしたほうが強くなると言い、それを実現している。尊敬しています」とはにかんだ。
(ライター・島沢優子)
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■視覚障害者柔道
矯正視力0.0025より低いB1(全盲)、視力が0.0025から0.1まで等の視覚障害をもつB2、B3の3クラスに分かれるが、大会はすべて一緒に戦う。体重別の階級は健常者の柔道と同じ。異なる部分は、両者が組み合った状態で試合を始めること、離れた場合に「待て」がかかることなど。
※AERA2019年9月23日号に掲載