「介護芸人」として活躍するレギュラーの松本康太さん(左)と西川晃啓さん(右) (撮影/写真部・高野楓菜)
「介護芸人」として活躍するレギュラーの松本康太さん(左)と西川晃啓さん(右) (撮影/写真部・高野楓菜)

「あるある探検隊」のネタで老若男女に大ブレークしたお笑い芸人・レギュラー。2人は今、介護のための資格を取得し、さまざまな施設で「介護レクリエーション」をおこなっています。介護芸人として活躍するまでの経緯、試行錯誤について聞きました。9月13日発売の週刊朝日ムック『高齢者ホーム2022』から抜粋して紹介します。

【動画】レギュラーの「施設あるある」ネタはこちら

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■向いてるんちゃう? 言われて勉強

松本 介護にかかわったきっかけは、次長課長の河本準一さんがおこなっていた高齢者向けレクリエーションのお手伝いをしたことです。正直あまりウケた実感がなく、やりきれなかったという気持ちがありました。でも帰りに河本さんが、「認知症の方も、あるある探検隊のリズムに合わせて手をたたいたりして反応していた。向いてるんちゃう?」と言ってくれたんですね。僕らのターゲット層は僕らの世代より上の方だった。目上の人の前でネタをやりたい、でも失礼があったらあかんから高齢の方との接し方を学ぼうと思って、介護職員初任者研修という資格を西川君と一緒に取りました。

西川 河本さんにそう言ってもらっていたから、僕も面倒とか嫌という気持ちはありませんでした。もともとコンビで何か勉強できないか探ってはいたんです。

松本 資格取得が芸人の中でもはやっていたし、いろいろな先輩から勉強して損はないよと言われたのも大きかったですね。

西川 施設に行く前と後のイメージの違いはけっこうありましたね。

松本 施設によってあんなに色があるとは思いませんでした。アットホームな雰囲気のところもあれば、プライバシーを守ることを重視しているところもある。専属のパティシエがいたり、タワーマンションの2階に散髪屋さんがいたり、さらにその上の階には入居者さんのご家族が住んでいたり。土地によってもこんなにいろいろなパターンがあるのかと驚きましたね。

西川 僕は、少し暗いイメージがあって、漫才をしても皆笑わへんやろなと思っていました。それまでは、施設が地元の街といっしょにやっているお祭りに仕事で行ったことがあるぐらいで。でも実際に介護レクリエーションに行くと、イメージと逆でした。皆よくしゃべるし、スタッフさんも元気やし。

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介護レクは試行錯誤だった