【血液の流れが悪いタイプ】
血液の質が悪かったり、血液の量が足りていなかったりすることで、流れが悪くなっているタイプ。漢方では「お血(けつ)」の状態とされる。月経トラブルに悩む人が多い。
□ 肌がくすみがち、 顔色が悪い
□ シミができやすい、目の下のクマがなかなかとれない
□ 頭痛や腰痛、肩こりがある
□ 月経痛がひどく、通常の生活が送れなくなる
□ 痔である
■血流悪化を招く夏の三大要因とは?
「冷え」は血流を悪くする最大の要因。実は気をつけたいのが冬よりも夏です。冬は暖かい服装で防備していますが、夏は薄着の上、冷たい飲食物を摂ってしまいがち。さらに冷房にさらされれば、体は当然冷えてしまいます。夏冷えの三大要因は次の通りです。
(1)冷房の利いた部屋と暑い屋外の行き来
自律神経のうち体を緊張させる交感神経が過度に優位になり、血管が収縮。この状態が続くと血流が悪くなる。
(2)冷たい飲食物ばかり摂る
暑い夏はのど越しのよい冷たい飲食物が欲しくなるけれど、冷たい物は体内の温度を一気に下げるので注意が必要。
(3)薄着
夏のファッションは素足にサンダル、ノースリーブと体を露出する傾向に。冷房の利いた部屋では一気に体が冷えてしまう。
■夏こそしっかり血流ケアを
「現代の夏バテの多くは、暑い屋外と冷房の利いた室内を行き来することで、体温調節を行う自律神経が乱れることを原因としています。特に、今の若い人は冷房が当たり前の環境で育っているので、暑い時に汗で熱を発散し、体温を調節する体本来の機能が未発達。夏バテもしやすいのです」と川嶋朗先生。
室温を自分で調整できればよいのですが、通勤電車やオフィスなどではそうはいきません。
「だからこそ血流にアプローチする必要があります。血液は熱を全身に伝え、体温を調節する働きもあります。エネルギーを生み出す代謝に必要な栄養素を運んでいるのも血液。ですから、血流をよくするというのは、夏バテや疲れ対策として最低限行っておくべきことなんです」
寒い冬だけでなく、現代は夏でも血流ケアが必要です。後編では、血流ケアの3ステップをご紹介します。
【後編はこちら】冬よりも気をつけたい夏の「冷え」 血流をよくするためのケアを医師が解説
<監修者>
監修/川嶋 朗先生(かわしま・あきら)
東京有明医療大学教授、東洋医学研究所附属クリニック自然医療部門。北海道大学医学部卒業。ハーバード大学医学部留学を経て、現職に至る。西洋医学と代替・補完・伝統医療を統合した医療を目指す。日本抗加齢医学会評議員、日本統合医療学会理事。西洋医学では、腎臓病、膠原病、高血圧などが専門。