より辛く、より旨く……。カレーの食べ比べこそが、真夏の祭典ではないか。東京を代表する老舗の味。レストランで食べるもよし、自宅に取り寄せるもよし。取り寄せもできる、おすすめの3店を紹介する。
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■エチオピア(千代田区神田小川町3-10-6)
「インド風カリーライス」を標榜。12種類ものスパイスを使った独特の香りが引き立つルーは、たっぷりの野菜を煮込んでいるためトロミも。名物チキンカリーには、大きめに切られた鶏肉がゴロゴロ転がる。ジューシーな肉の旨みが、スパイスと口の中で交じり合う
■デリー銀座店(中央区銀座6-3-11 西銀座ビル3F)
カシミールカレーで有名なインドカレー店だが、物販ではドライカレーが一番売れている。タマネギとケチャップとカレー粉をベースに、隠し味として粉チーズと醤油を加えたペーストのレシピは、登場以来40年間変わらない。辛さは弱く、子どものいる家庭でも楽しめる
■ガヴィアル(千代田区神田神保町1-9 稲垣ビル2F)
1982年の創業以来、継ぎ足しで作られるソース。口に含むとまずはまろやかな甘みが、その後でジワリと辛みが広がる。甘みの秘密はタマネギ。30kgもの量を丸一日かけてボイルし、翌日は火にかけながら手作業でつぶしてペースト状に。手間暇のかけかたが、味に出ているのだ
(取材・文/本誌・菊地武顕)
※週刊朝日 2021年8月20‐27日号