お酒や本の箱、使わなくなったベビーラックや荷物でいっぱいの「開かずの間」/Before
お酒や本の箱、使わなくなったベビーラックや荷物でいっぱいの「開かずの間」/Before
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 5000件に及ぶ片づけ相談の経験と心理学をもとに作り上げたオリジナルメソッドで、汚部屋に悩む女性たちの「片づけの習慣化」をサポートする西崎彩智(にしざき・さち)さん。募集のたびに満員御礼の講座「家庭力アッププロジェクト®」を主宰する彼女が、片づけられない女性たちのヨモヤマ話や奮闘記を交えながら、リバウンドしない片づけの考え方をお伝えします。

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case.5家族を巻き込んで「ママだけが頑張らない」を実践できた
夫+子ども3人/システムエンジニア

 3人の子どもを育てるシステムエンジニアの女性は、もともとは片づけられる人でした。家庭力アッププロジェクトに参加中も、障害対応で夜遅くまで働く日があったくらいハードな仕事に就いていますが、ご両親や妹が遊びに来たら気軽に泊まってもらえる、いつでも「どうぞ」と言える家をキープしていたのです。

 うまくいかなくなったのは、夫婦の信頼関係が揺らぐ出来事が起こってから。子どもたちのために部屋を整えなきゃ……とわかっているのに頑張れない。気力が湧かない。前はどうやってこなしていたのか、わからなくなっていました。

 そしてコロナ禍。家の居心地の悪さを見て見ぬふりすることはできなくなりました。足の踏み場もない洋室、別名「開かずの間」もずっとストレスでした。本当は、巣立った上の子がふらっと帰りたくなるような家にしたい。プロジェクトを知って昨年の秋、家と向き合う覚悟を決めたのでした。

 忙しい彼女には家族の協力が必要でした。しかしどこのご家庭もそうですが、ママが「片づけるよ!」と言ったところで家族は動いてくれません。彼女はプロジェクトで教わった通り、まずは一人で不用品を処分し片づけを続けました。

 家族を巻き込むための地ならしとして、自分自身が有言実行する姿を見せるのです。するとの“一人片づけキャンペーン“に感心した小学生の末っ子が味方についてくれました。

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最後まで逃げていたのは夫