「私自身も入院してから環境省の仕事に復帰するまでに、まず、リモートでやりました。私は育児もやってますが、家で育児もしながら働ける環境が整いつつあって良かったと思ってます。育児をしている方、経済状態が必ずしも100%ではない方など一人一人の働き方に合わせ、多様な働き方ができる環境を整えていくことが重要だと思いました」
要するに政治家もリモートで仕事ができる”環境”になったことを能天気に喜んでいるらしい。だが、演説を聞いていた自民党・小倉將信衆院議員はヒタヒタと迫ってくる脅威を感じているという。
「小池さんが退院されて、最終日の今日から選挙運動をされています。ものすごい勢いで都民ファーストが伸びているという情報が入って来ている」
小池百合子都知事は都議選の最終日となった3日朝、都庁で公務を終えた後、午前10時半から特別顧問を務める都民ファーストの候補者たちの応援に都内各地をまわった。
小池氏が千代田区の平慶翔候補の事務所に現れるという情報が伝わると、報道陣は続々と集まり、住民と合わせると約200~300人くらいに膨れ上がった。
小池氏を待つこと1時間余り。同午後5時頃、小池氏に応援してもらって今年1月、当選した樋口高顕・千代田区長がこうアナウンスした。
「まもなく小池知事が来られます。私も小池知事が乗るガラス張りの車『金魚鉢』に同乗していたんですが、本当に街ゆく人から熱い声援を送っていただきました。小池知事は体調が回復しない中、公務を終えてから、わざわざ千代田区に来てくれました」
集まった聴衆の興奮が最高潮になったところで、小池氏がガラス張りの選挙カー「金魚鉢」に乗って現れ、拍手が沸き起こる。まるで舞台に登場した女優のようだった。
車から降りた小池氏は集まった区民たちや報道陣にもみくちゃにされた。小池氏が再三、注意喚起していた「ソーシャルディスタンス」も「三密回避」ももはやどこかへ行ってしまっていた。