4年後に皇太子は、彼女との交際を宣言して、親子ともにマンションで一緒に暮らし始める。国民は、「王室の品位を落とす」と非難を浴びせ、王室廃止を叫ぶ団体が結婚の祝賀行事のボイコットを呼びかけた。
おまけに、マリウス君の父親が麻薬中毒で服役中であることや、メッテさんもドラッグパーティーに出入りしていた過去が暴露され、王室の支持率は9割から4割まで落ち込んだ。
状況を変えたのが、彼女自身が会見でみせた誠実な対応だった。01年、挙式を3日後に控えたメッテさんは記者会見で、涙ながらに謝罪して言葉を継いだ。
「残念ですが、どんなに変えたいと思っても過去は変えられません。でも、未来は変えることができます」
若者たちはふたりの熱愛を歓迎し、支持率は回復。父のハラルド国王も、「若い世代は自分の生き方を自分で見つける権利がある」と応援した。オスロの大聖堂で挙げた挙式には、欧州各国の王族に加え麻薬・売春からの更生者など800人が参列した。
涙の会見から20年の歳月が流れた。不倫疑惑が持ち上がったり、ぜいたく品を購入し過ぎだとの批判もあったが、メッテ妃は公務の実績を積み国民との信頼関係を築いてきた。2018年に治療法が確立されていない肺の難病であると公表。
「できる限り公務に参加することが私の目標だ」
この決意表明によって、再び注目を集めた。
そして連れ子のマリウス・ボルグ・ホイビーは現在24歳。王位継承権も王子としての称号も持たない王室メンバーだ。メッテ妃は、成人を機にマリウスは公務には参加しないと宣言した。
皇太子とメッテ妃の間に生まれた異父妹の女王、王子とも仲良く過ごしている。絹のような金髪と端正な顔立ちの美青年マリウスも、注目を集める存在だ。
3年前には。モデルで恋人のジュリアンとのキス写真をインスタグラム(Instagram)で公開。ジュリアンは米雑誌『プレイボーイ』にトップレス姿や露出度の高いグラビアを載せていたため、王室メンバーの相手として「ふさわしいのか」と批判を浴びるが、若い2人は、さして気にする風でもない。
昨年は教会で行われた弟王子の堅信式に、彼女を同伴で出席。親も公認の交際だと見られている。