昨今、アナウンサー志望者の高校生に、「法政の自主マス」は浸透しつつあるようだ。テレビ朝日アナウンサーの三谷紬さんはこう振り返っている。

「高校3年で受験校を悩んでいた際に、母が名古屋でアナウンサーをしている友人に相談をしてくれて、『法政大学の稲増ゼミと自主マスコミ講座がいいよ』とすすめられたんです。すぐに父がインターネットで調べたら、法政には社会学部メディア社会学科というメディアやマスコミについて勉強できる学科があるとわかりました」(「Ray」ウェブサイト2020年10月4日)

 2020年、山口朝日放送アナウンサーに採用された篠田愛純さんは、自主マスでの講義、講座生同士の切磋琢磨、情報交換についてこう語っている。

「自分とどう向き合うかという点で、女子学生の場合は、メイクやファッションのアドバイスをもらえたのは大きいですね。学生同士だとデリケートな問題なので、なかなか指摘しあえなかったりするのですが、先生方からズバリ言っていただくと、納得できることも多いし、自信にもなりました。実際、服装やメイクを変えると、講座生同士だと、普通の友だちだったら絶対に言えないような忌憚のない意見をもらうことができ、これは、お互いが、『アナウンサーになりたい』という共通の目標を目指しているからこそ言えるわけで、本当に役に立ちました」(自主マスコミ講座 2020年募集案内)

 2021年、自主マスから全国各地のテレビ局アナウンサーが8人誕生した(2020年は9人)。これで自主マス開講以来、局アナは約170人生まれたことになる。これほどの実績を作ってきたことで、自主マスは学内外で注目されており、ブランド力を持った。

 だが、だれでも自主マスの講座生になれるわけではない。選考会がある。勝又さんは言う。

「自主マスの選考に通らなかった学生もアナウンサーになっています。正直、もったいなかったなあ、自主マスに入れてあげればよかったと思いました。それほど志望者が多く選考が厳しくなったということでしょう」

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「アナウンサーになりたくて法政に入った」